国立環境研究所 江守 正多氏のご講演報告

 「気候危機のリスクと社会の大転換」

       国立環境研究所 江守 正多氏ご講演報告

                         

国立環境研究所 江守正多氏のご講演を12月9日(木)、Zoomにて開催しました。開催目的は環境経営士フォーローアップ研修と日本経営士会の知名度アップのためでした。結果は環境経営士が23名と一般の参加者は21名でした。最初に当会の会長鈴木和男会長挨拶後、江守講師の約70分の講演と質疑応答、最後に近藤安弘CSR環境事業部担当専務理事の御礼の挨拶で無事終了しました。

      

講演の内容は

COP26の成果文書

開催日はCOP26が終わってすぐでしたからホットで最新の気候変動に関する情報満載の講演でした。イギリスのグラスゴーで開催された成果文書では

①     1.5℃に温暖化を抑える努力を追及する(COP25では「2℃に抑える」とし1.5℃は 

  努力目標としたが今回は1.5℃に目標を下げたのは評価できる。江守氏)

②     各国の2030年目標の見直しを2022末までに開催

③     石炭火力と化石燃料補助金の段階的削減(インドは廃止でなく削減に訂正させた)

④     先進国から途上国への1000億ドルの資金提供を確実に(これを確実にしないと目標達成はおぼつかない。江守氏)

各国のカーボンニュウトラル宣言

 この宣言をインド2070年、ロシア2060年、サウジアラビヤ2060年すべて達成されると1.8℃が視野に。(達成するには先進国の金銭的・技術的支援は不可欠 江守氏)

「世界のCO2排出量の5つのシナリオ」をIPCCは作り直しました。

①非常に低い(1.5℃を目指す)②低い(2.0℃)③中間(現状ペース)④高い(対策が後退)⑤非常に高い(最悪)グラフ参照下さい。(このグラフの起点は2015年)      

海面上昇は現在既に20cm上昇しているが、もし南極の氷床の不安定化が起きれば気温上昇がおさまっても海面上昇が数百年から数千年続くと推定されている。

日本の公約と大転換が必要

日本のCO2の排出量は2015年から減少に転じているが、2030年46%減、2050年脱炭素化は国際公約。

大転換が必要、最近の日本の成功例ではタバコの禁煙、分煙が徹底された例がある。

            

講演内容をもっと詳しく知りたい方

今回の講演内容は下記動画と内容はほぼ同じです。

国立環境研究所のホームページ、左の最下段のFaceBook「地球環境研究センター」

11月30日に掲載。最初の1時間が相当(日本記者クラブ主催)

江守正多氏のプロフイール

1970年神奈川県生まれ。東京大学教養学部卒業。1997年より国立環境研究所に勤務。2021年より地球システム領域副領域長。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次、第6次評価報告書主執筆者

国立環境研究所 江守 正多氏のご講演 IPCC第5次、第6次評価報告書主執筆者  Zoomにて 12月9日(木)15:50~17:00

国立環境研究所 江守 正多氏のご講演 Zoomにて 12月9日(木)15時50分~17時

最初の10分は一般社団法人日本経営士会の案内、16時~17時までが江守講師のご講演です。

この講演は日本経営士会の環境経営士フォーローアップ研修を兼ねて開催します。

定員 100名 受講料 1000円 一般無料

江守氏は気候変動に関する政府間パネル(IPC C)第5次、第6次評価報告書主執筆者でもあられます。

詳細・お申し込みは添付チラシをご参照下さい。

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