SDGs・CSR・環境経営 – 環境マネジメントシステム・CSRへの対応

SDGs、CSRシステムプラスとは

  • HOME »
  • SDGs、CSRシステムプラスとは

1 SDGs・CSRを中小企業(サプライチェン含む)に普及する一般社団法人日本経営士会の誕生と理念とは

一般社団法人日本経営士会(AMCJ)は、1951年(昭和26年)に時の経済安定本部(現在の経済産業省の前は通商産業省、その前はこのように言われたこともあったそうです)と戦前からの能率屋が戦後の復興を確かなものにするため、企業を経営面からの支援をするためAMCJが創立されました。戦前の能率屋とはアメリカの科学的管理法の父と言われた、F.W.テーラーの愛弟子、戦艦ヤマト等戦艦を短期間に作り上げた工程管理の専門家、日本生産性本部を立ち上げた人、産業能率大学の創設者などです。詳細には日本経営士会のホームページ(HP)を御参照http://www.keieishikai.com/about/index.html

このように伝統ある日本経営士会にはCSR環境事業部が2007年に設立されました。この事業部は中小企業(サプライチェーン含む)への環境マネジメントシステム(EMS)とかCSR(企業の社会的責任)システムを主に中小企業(サプライチェーン含む)に普及する活動に取り組むいきさつについて順を追って記していきます。

2 ISO26000の発行

社会的責任(SR)が企業に求められる理由

このホームページ(HP)は企業の社会的責任について述べますからSRをCSRと読み替えて記述します。

CSRが話題になると、引き合いに出されるのは「ナイキショック」です。1997年アメリカの大手スポーツメーカー、ナイキの傘下にある東南アジアの下請け工場で児童労働、低賃金・長時間労働が行われていました。これがアメリカのNGO団体などで問題にされ、インターネット上で大々的な批判運動が展開されました。ナイキは利益のみを追求し人権を無視しているという批判です。これによりナイキ商品の不買運動が広がり、ブランドも地におちました。その後、親会社はよくても下請けが反社会的なことをやっていれば親会社も厳しく罰せられる風潮になりました。ナイキ問題はCSRと人権、CSRと労働、CSRとサプライチェーン管理などに及び今回のISO26000構築を進ませました。

ISO26000の特徴として下記があげられています。

特徴1
ISO(International Organization for Standardization)国際標準化機構は1947年から18,000件以上もの規格を開発してきた世界最大の民間の標準化機関です。毎年1,000件以上の規格を発行しています。しかしISO26000は携わった国が99カ国、エキスパーが450人、要した年月は準備期間も含めて約10年などから判るように、数あるISOの中でも特筆すべき規格です。

特徴2
各作業部会は一つのテーマに対して多数決を取らず部会員全員の合議制がとられました。(マルチステークホルダー方式)この様な方式をとったため当初3年間でこの規格を作り上げるところ、5年も要しました。

特徴3
ISO9001、ISO14001の様に認証規格ではないということです。「社会的責任(CSR)に関する手引き(Guidance on social responsibility)です。

特徴4
CSRの特徴の4番目として、ステークホルダーと組織の関係でエンゲージメント(約束・計約・かみ合う)の定義は「組織の意思決定について基本情報を提供する目的で、組織と1人以上のステークホルダーとの間に対話の機会を作り出すために試みられる活動」です 。

特徴5
CSRの5番目の特徴としてサプライチェーンからバリューチェーンへとより広い範囲まで組織は気配りをする必要があります。既述のナイキ問題はナイキと下請け業者のサプライチェーン(組織とその関係者)の問題でありましたが、これからはバリューチェーン(製品又はサービスの形式で価値を提供するか又は受け取る、一連の活動又は関係者)に働きかけることが必要になります。

「社会的責任」CSRの定義

「組織の決定及び活動(製品、サービス、プロセス)が社会及び環境に及ぼす影響に対して、次の様な透明かつ倫理的な行動を通じて組織が担う責任。」

この定義の透明かつ倫理的行動は以下の4項目

・健康及び社会の繁営を含む持続可能な発展に貢献する

・ステークホルダーの期待に配慮する

・関連法令を順守し、国際行動規範と整合している

・その組織全体に統合され、その組織の関係(組織の影響力の範囲以内の活動を指す)の中で実践される

「CSRの基本的性格」

・組織の持続可能な発展への貢献を助けることを意図している

・法令順守を超えた活動を奨励するものであること

法令順守は当然の事ですが「持続可能な発展」という言葉がISO26000の基本的性格の中に入っているのはよく理解することが重要です。

そして人間の多様性を尊重し、一方、国際貿易面に於いてこの規格が不要な貿易障害を起こさないように配慮されています。

この規格には7つの「原則」があります。組織の活動で迷った時はこの原則に立ち返るようにアドバイスをしています。即ち説明責任、透明性、倫理的行動、ステークホルダーの利害の調整、法の支配の尊重、国際行動規範の尊重、人間の尊重です。

中核的主題として「組織統治」、「人権」、「労働慣行」、「環境」、「公正な事業慣行」、「消費者課題」、「コミュニティの開発」の7つがあります。

3 国、経団連、行政などのCSRの考え方と普及施策

●国のCSRについては、経済産業省とか中小企業庁は企業会計室とか財務課が担当しており、外国のCSRの動向を調査するとか「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」(人権教育啓発推進法)施行に基づき、企業に対する人権啓発支援事業を実施しています。

●一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)は「企業行動憲章」を改定し企業の社会的責任(CSR)の視点を加えて2017年11月に大幅に改定しました。(第5版)

即ち企業行動憲章 改定のポイントとして

◇企業はSociety5.0実現を通じたSDGsの達成を柱として改定をしました。

会員企業は持続可能な実現が企業の発展の基盤であることを認識し、広く社会に有用で新たな付加価値および雇用の創造、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の推進により社会的責任への取り組みを進める。また自社のみならず、グループ企業、サプライチェーンに対しても行動変革を促すとともに、多様な組織との協同を通してSociety 5.0の実現、SDGsの達成に向けて行動をする。今回の改定は大企業のみでなくサプライチェーンに対してもCSRを含めたESG、SDGsを企業の理念の中に盛り込むように強く望んでいます。これらはCSRの中核主題はすべて入っています。

注)Society5.0:狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会の次、これから始まる社会として超スマート社会のことです。

SDGs:持続可能な開発目標(SDGs)2015年9月の国連サミットで採択された「 持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの 国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから 構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓ってい ます。17のゴールにはCSRの考えがすべて網羅されています。

●日本商工会議所は会員中小企業(サプライチェーン含む)に対し地球温暖化対策の実態を初めて調査結果を2017年3月に公表するなど、CSRの中核主題の環境アクションプランにとりくんでいます。ただ東京・大阪・名古屋などの商工会議所は環境・CSRのセミナー、環境・CSR研究会の会員募集などを行っています。

●県市等自治体のCSR導入支援

県、市などはCSRを導入した中小企業(サプライチェーン含む)に各種の恩典を与えている自治体もあます。

環境CSR事業部の調査では

◎埼玉県は彩の国指定工場の応募資格要件にはCSRの考えが入れて認証をしています。

◎さいたま市はCSR企業認証制度構築しています。ここは守るCSR,伸ばすCSRと2ステップを提唱しています。

◎川口市は地域貢献事業者認定事業所には融資、補助、表彰、事業者PRなどを行い事業者のCSRを支援しています。

◎静岡市はCSRパートナー企業表彰を行っています。CSR活動に取り組む企業を表彰、ロゴマークの使用を許可しています。ここも守るCSR、伸ばすCSRの2段回で審査をしています。

◎東大阪市はCSR経営表彰制度を行っています。ここはCSR指標を設定して審査をしています。

◎横浜市は横浜型地域貢献企業認証制度を作り、認証された企業にはロゴマークの使用許可をし、低利融資、横浜市の公共工事の優先発注などを行っています。評価項目はCSR項目が多く入っています。

◎宇都宮市は宇都宮まちづくり貢献企業を「CSR推進計画書」などの書類審査、現地調査をして、認証マークの付与、CSRホームページなどによる広報、低利融資、入札優遇などで、CSRへの誘導を行っています。

◎京都府は制度名をCSR京都とし中小企業(サプライチェーン含む)が社会の信頼を得るCSR取り組み支援を行っています。CSR自己チェック、CSR「取り組みレポート」CSR報告書作成発行などで審査しています。

◎札幌商工会議所はCSR経営表彰制度を行っています。CSRに積極的に取り組んでいる企業を表彰しています。

まだまだあると思いますし、これからもCSRを中小企業に増やす施策を導入する自治体が増えると考えます。

全日本印刷工業組合連合会はCSR認定制度

自治体ではないですが全日本印刷工業組合連合会はCSR認定制度を設定して業界全体の信頼性向上に取り組んでいます。

ここの審査は横浜市立大学のCSR認定センターが行っています。マークを3ランクにしたCSR認定です。

4 SDGsへの発展

このようにISO26000の制定ESG(環境・社会・企業統治)投資など世界の流れは環境とか社会貢献、企業統治など決算書に表示されないテーマも企業経営には重要な要素となってきています。さらに2015年にはSDGs(持続可能な開発目標)が国連で提唱されました。

SDGsには17のゴールがあります。このゴールにはCSRの中核主題7つが入っています。

5 日本経営士会 CSR環境事業部が環境マネジメントシステムとかCSRマネジメントシステム、SDGsマネジメントシステムを構築した理由と特徴

一般社団法人日本経営士会(AMCJ)の経営士にはISO14001とかエコアクション21、エコステージなど環境マネジメントシステム(EMS)の審査人がいます。

彼らは中小企業(サプライチェーン含む)の社長にEMS導入を薦めましたが、これらEMSのガイドラインは難解で理解しづらい。また費用面でもハードルが高いのでこれらEMSは導入に踏み切れないとの声を聴きました。そこでAMCJは解りやすく ガイドラインのページ数も20ページ程度にまとめ費用もアドバイス料を含め15万円から20万円程度に設定しました。このEMSをコンパクトエコシステムと呼び、全国の中小企業に対して「環境経営士®」が普及活動を行っています。

同じ理念のもと、CSRを中小企業(サプライチェーン含む)に普及するために、コンパクトCSRシステムを構築し普及活動を行っています。

そして最近ではCSRも含むSDGsマネジメントシステムも同じ考えで普及活動を行っています。

6 EMS,CSR、SDGs導入のメリット

EMS、CSR、SDGs導入のメリットとしては以下のことが一般的に言われています。

ステークホルダーの信頼が得られる

具体的には発注もと企業、金融機関、サプライチェーン、顧客、従業員などから信頼が得られます。

企業イメージの向上
売り上げ拡大
社内の連携が可能となった労働意欲の向上
コスト削減
法規の遵守

何よりも大きいのは社会から尊敬され持続可能な企業になります。日本企業には事例が多くあります。

一般的にはEMS、CSR、SDGsを導入するには上記のようなことが言われています。しかし 経団連の企業行動憲章はCSRを2017年の改定7版ではサプライチェーンにまで広めよと
大企業を中心とした会員企業にうったえています。
一方ではESG投資は環境保全、社会貢献、企業統治を企業の理念に掲げ経営している企業に投資が行われる様になりました。

8項に述べる近江商人のCSRの考えが社風として残っている企業は結局は持続可能な経営をしています。

EMSとかCSR、SDGs導入のデメリットを少なくして、メリットを拡大させるため、AMCJは日本で最も歴史ある経営コンサルト団体の実績を踏まえてCSRの普及を中小・小規模企業(サプライチェーン含む)に行っています。

7 日本経営士会(AMCJ)のSDGsとかCSR(企業の社会的責任)システムの特徴

AMCJのSDGs、CSR普及には「環境経営士®」が行います。環境経営士は環境とCSRそして経営についての専門家です。AMCJの長い経営コンサルタントのノーハウを環境経営士が受け継いでいます。このことが最大の特徴ですが更に以下の特徴があります。CSRを例に取り上げますがSDGsも同じ考えです。

①中小企業(サプライチェーン含む)には負担少なく、容易にCSRに取組めるよう構築してあります。

ISO26000(国際標準化機構が2010年11月に発行した社会的責任に関する国際規定のこと)での中核主題は網羅しています。即ち組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者に関する課題、コミュニティ参画および発展の7項目です。

②PDCA(計画、取組、評価、改善)のマネジメントサイクルで持続的発展を目指します。

③実施報告書「CSRレポート」を作成・公表することにより、社外からの評価を高めます。

④負担の少ない業務、手続、費用等で、登録・維持を続けることができます。 コンパクトCSRのガイドラインは15ページでわかりやすくなっています。

登録費用は試行期間3カ月を経て「CSRレポート」を公表しますが、登録費用8万円(審査、第三者評価機関(ISO14001の審査人が評価)評価料込み)取り組み支援料は1時間1万円(今までの平均10時間で10万円)です。 従ってCSRの導入企業様にとっては約18万程度で構築されます。但し府県を超えての支援の場合は別途旅費交通費が発生します。

更新は2年毎で6万円(審査、第三者評価機関の評価込み)取り組み支援料は1時間1万円(今までの平均6時間で6万円)です。

8 近江商人の考えは現在に引き継がれる

日本にはCSRの考えが江戸時代からありました。滋賀県の近江商人はCSRを実践していました。それは「近江商人の三方よし」の考え方です。近江商人の三方よしの考えは「売り手よし、買い手よし、世間よし」の3つが重なると商売繁盛するという考えです。自分だけが儲ければよいという考えでは商売は長続きしないという教えです。

これら近江商人の考えは現在の大手商社などにも受け継がれています。 例えば高島屋 、大丸 、西武グループ 、伊藤忠商事 、丸紅 、トーメン(豊田通商と合併) 、ニチメン(総合商社双日に) 、ヤンマー 、日清紡 、東洋紡 、東レ、日本生命 、ワコール、西川産業、武田薬品などです。トヨタ自動車工業の旧経営陣の中には近江出身の経営者がいました。初代社長豊田利三郎、2代目は豊田喜一郎(奥様が高島屋の創業者飯田家の娘)3代目は石田退三も近江商人の精神が宿っていました。トヨタ自動車工業には近江商人の家風が色濃く残っていて、CSRの考えは社風の中に根付いていると考えます。

韓国の銀行が200年以上続いている世界の長寿企業を調査しました。41か国調査したところ5586社が200年以上の企業でした。内訳は3146社が日本、837社がドイツ、196社がフランス、22社がオランダ、2社が韓国。このことは日本にはもともとCSRの考えが長く息づいていたと考えます。では世界で最も長く存続している企業は最近、高松建設に移行しましたが金剛組です。創業は578年です。

9 CSR、SDGsについてのお問合せ

以上のような時代の趨勢、持続可能な経営にはCSR・SDGs経営はこれからの中小企業(サプライチェーン含む)にも必要だと考えます。CSR・SDGsを中小企業などサプライチェーンに広まるには日本経営士会のSDGs、CSRマネジメントシステムが適していると考えます。

お問合せは 日本経営士会東京本部TEL  03-3239-0691

またはメールoffice@keieishikai.com へお願いいたします。

お気軽にお問い合わせください TEL 03-3239-0691

  • Facebook
  • Hatena
  • twitter
  • Google+
  • facebook
PAGETOP
Copyright © 一般社団法人日本経営士会 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.